2023.07.29

土曜日、晴れ。時折風のある猛暑。

 

帰省先の姉宅へ向かうべく、電車の乗り継ぎを待っていた。

猛暑の中、私の他に何人かの人が駅のホームで電車が来る方向をちらちら見ている。時折吹く風で最大限涼もうと、シャツの裾を引っ張ってみる。

あぁ、夏だな。デスクワークばかりで太陽に当たっていなかった私は、ようやく夏を自分事として受け入れた。

自分ってこんなに汗をかけるんだなーと感心した。

 

乗り継ぎを繰り返し、ようやく着いた駅から徒歩10分と少し。ようやく姉宅にたどり着いた。

ただいまーとドアを開けて驚いた。

部屋がぬるい。

悲しいことに、築年数の経っている姉のアパートではエアコンも歳を召しており、彼の全力では玄関すぐのダイニングまで冷えない。彼が何とか冷やしている奥の部屋に寝転がり、ようやく私は深呼吸が出来た。涼しい。

 

体が程よく冷めたら、今日の宴会の準備だ。

父と姉弟だけの餃子祭り。どの餃子フェスよりも好みの餃子を100個作るのだ。

野菜を切り、餡を練り、皮に包む。

出来上がったのは78個。餡が足りなくなったのは、パンパンに詰められた餃子のせいだ。でもそれが好きなのだ。仕方ない。

姉弟が包んだそれらを父が焼き、みんなで食べる。良い親孝行をしたな、と思った。

あと何回できるだろうか。

このさり気ない日常を、あと何回見られるだろうか。

この光景をあと何回作れるだろうか。

まだ親は元気に働いているようだけど、老い始めているのも事実で。餃子を10個も20個も食べれない日も近いのかもしれない。

いつか来る日を想像してしまう。

その日は怖いし寂しいけれど、まぁあんだけ好きに過ごせばね、と言える生き方であって欲しい。

 

父も姉弟もこの手作り餃子が大好きだから、また皆で作ってあげよう。